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Novation Circuit Rhythm はどんな感じ?製品レビューと考察

  • 2021年6月26日
  • 2021年6月28日
  • Novation

circuit rhythm のあるスタジオ

NovationのCircuit Rhythmは薄型コンパクトなドラムサンプラー兼リズムマシン。

グリッド状にならんだパッドにアサインしたサンプルをシーケンスするだけでなく、キーボードモードもあったりします。

 

NOVATION はイギリスの会社で、NOVATION CIRCUIT Rhythm はグルーブボックスとして先代のNOVATION CIRCUITシリーズに比べても機能がアップデート。

 

二つのポリシンセと4トラックのサンプルシーケンサーに加えて、やっぱりすごいのが複数チャンネルに渡る外部機器のシーケンシング機能です。

CIRCUIT RHYTHMの外観

CIRCUIT RHYTHMの外観は渋めのメタリックグレイで、正直言ってCIRCUIT TRACKSと比べると色以外では違いはパッと見では判りません。

 

製造上の金型などは全く同じ物を使うことで製造コストを下げているんだと思います。

だからと言ってちゃちいとはそういう事ではありませんが。

 

I/O周り

NOVATION CIRCUIT RHYTHM I/O

CIRCUIT RHYTHMのI/O周りは前述のCIRCUIT TRACKSと同じで以下の通りになります。

 

  1. INPUT 1/2
  2. headphone input
  3. OUTPUT L/R
  4. MIDI IN/OUT/THRU
  5. micro SD スロット
  6. USB-C
  7. 電源ボタン

 

MIDI THRU に関してはセカンドMIDI OUTとしても機能するそうです。

キーボードノートモード

個人的にはこういうパッドタイプのデバイスでキーボードをプレイするのは無理があるなと感じています。

AbletonのPUSHやAkai のFORCEのように64パッドを搭載しているものだとまだ慣れれば快適につかえそうな気がしますが、このCIRCUIT RHYTHMは半分の32パッドなのでどうなんでしょうか?

 

Keyboard Note Modeではクロマチックに音をプレイするには

サンプルページに移行し、サンプルを選択。

そしてNOTE MODEボタンを押して選択するとパッド上で選んだサンプルがクロマチックに配列されます。

 

このモードではパッドの下半分にサンプルがクロマチック配列され、上半分はステップシーケンサーになるので、「クロマチック」でプレイできるのは実質16音(1オクターブと少し)になります。

古いサンプラーなどでは1音をサンプリングしてその音をキーボード全体の音域に渡ってトランスポーズすることで変な音が楽しめるのですが、このCIRCUIT RHYTHMではそこまでの個性というかアクのあるサウンドの変化は楽しめないような気がします。

 

トラック作成

CIRCUIT TREACKSでは各トラックにつき8個のパターンを入れ込む事が出来るようになっています。

上下アローボタンでパターンをスクロールできるようになっています。

 

各パターンは32ステップ・16ステップのステップシーケンサーになっています。

パターンのキューを使う事で前にプレイしているパターンが終わるまで指定のパターンがプレイしないようにできます。

また複数のパターンを選択して同時にエディットしたりもできるのが簡単で良いなと思いました。

ドラムパッド

パッドの下半分にドラムサンプル・音源、左上にノートリピートのセレクションを配置したモードで、ノートリピートはテンポに同期しているのでそのままパターンを作る事ができます。

 

動画ではハイハットのパターンにアクセントをつける方法をデモンストレーションしていますね。

サンプルの録音と編集

CIRCUIT RHYTHMは外部入力を使ってサンプリングをすることができます。

サンプリングページ機能ではいろいろな便利機能が搭載されているようですが、やっぱり致命的なのがサンプルの波形表示が無い点です。

ただ、この波形表示が無いという弱点が逆に何か通常ではできないような結果につながる可能性もあるので、購入前にその点についてよく調べてみると良いのかなと思います。

 

サンプリングページでは

  1. ー12db
  2. リサンプリング
  3. インプットモニター
  4. レコーディングスレッショルド

 

上のそれぞれがパッド上に省略ドット文字(リサンプリングであれば「RSP」など)で表示されるのがわかりやすいです。

 

なのでLCDディスプレイが無い機種であるこのCIRCUIT RHYTHMでも比較的快適にサンプリングできるようになっているのはすごいと思いました。

 

サンプリングするには赤く点灯してるパッド(空のパッド)を選択してレコードボタンを押して録音したいメディアなどをプレイするとサンプリングできます。

 

サンプリングが完了したら、いらない部分をトリムするわけですが、これも波形表示がありませんのでノブを使って耳を使いトリムします。

 

一見難しそうですが、これが一昔前のサンプラーをいじっているような感覚にもなりなつかしいです。

クリエイティブにパターンをいじる

 

CIRCUIT RHYTHMで作ったパターンに変化をつけるための面白い機能が搭載されています。

パターンの逆走や譜割の変更などいろいろいじる事が出来て思いもかけない結果になりそうです。

こういう一見単純なグルーブボックスから作られたアイディアをその後DAWに取り込んで一つの完成された曲になる事って結構あるのでこれは面白そうです。

エフェクツ・ディレイのサイドチェーン

CIRCUIT RHYTHM では任意のトラックからトラックへサイドチェーンを組む事ができます。

 

動画ではシンセパッドのトラックにリズム系のトラックをサイドチェーンすることでトレモロ効果を出しています。

 

サイドチェーンを受ける側のトラックに対してどのくらいの影響を加えるのかもパッドを使って簡単に設定できるのはよく練られていると思います。

 

エフェクトのセンド量もノブを使って簡単に調整できるようになっています。

 

コンポーネンツ

 

コンポーネンツはNovationの製品に対応したオンラインのサービスで、バックアップやプロジェクトやGrid FXテンプレート、サンプルなどの管理を簡単にできるよう考えられたものになっています。

 

自分で作ったオリジナルのサンプルライブラリーを整理したり、そこに保存することでいつでも使えるように待機させておく事ができるそうです。

 

ただ、個人的にはこういったサンプルやプロジェクトの管理などは本体内蔵のSDでできる事だと思うので、実際にどのくらい実用性があるのか疑問です。

 

サンプルプレイバックオプション

サンプリングしたサンプルのプレイバックをいくつかのオプションから選べるようになっています。

 

  1. ワンショット
  2. ゲーティッド
  3. チョークグループ
  4. オン・オフ
  5. ループモード

 

また必要に応じてサンプル同志でミュートすることができるのでハイハットなどの設定に重宝します。

 

また、ループモードにすることでサンプルをシンセのように扱う事ができるようになります。これはクロマチックモードで演奏することでベースなどに使えそうです。

グリッドエフェクツで遊ぶ

グリッドエフェクツは簡単に言うと、ボタン一つで好みのエフェクトの設定を呼び出しプレイする機能です。

 

各パッドの好みのエフェクト設定を配置しておくことでライブなどで効果を発揮しそうです。

またこれも予期しない面白い効果を生んでくれそうな機能なのでじっくりマニュアルを読んで使いこなすと良いのではと思いました。

Novation Circuit Rhythmの良いところ

なんだかんだ簡単にsequence組んでエフェクツで遊べるコンパクトなマシンということで気になっている人も多いはず。

 

Novation Circuit Rhythmはかなり簡単なシークエンスツールがフィーチャーされていること、またサンプリング機能がある事で音作りの幅が広がる楽しめるのがポイントだと思います。

 

あとグリッドエフェクツもとても使えるパフォーマンスツールだと思いました。

本体の作りもしっかりしているのでガジェットとしての質感も高いと思います。

Novation Circuit Rhythmの残念なところ

サンプル波形が表示されるディスプレイが無いのが残念

ステレオインプットがあるにも関わらず、サンプリングはできるがなぜかモノのみ。

 

あとどうやらサンプルはできるものの、Circuit Rhythm独自のサンプルフォーマットらしいのでWAVなどの読み込みはできないようです。

CIRCUIT RHYTHM NOVATION
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